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2007 ふゆ号の特集
「発酵食品はすごい!」
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特集の内容
こころと体にやさしい食卓
食とは他の生物の命を頂くこと。昔から私たちの祖先はすべての物に、 感謝を捧げて生きてきました。太陽の力、海の力、風の力、そして顕微鏡が発見されるずっと以前から目に見えない微生物の力にまで敬意を払い、その力を借り新たな食を作りだしてきたのです。

分析が進んできた現在、伝統的に受け継がれたものが、単においしいだけでなく、人体に都合の良い驚くべき機能を持つ物質を作り出すことが、次々と発見されてきました。しかし、その恩恵を受けるためには、すべて多くの手間や長い時間が必要なのです。まだまだ今の化学をもってしても、解明しきれない未知の部分がたくさんある神秘の世界なのですね。

手間や時間をはぶいて価格を下げるため量産することにより犠牲にされている大切なことがたくさんあります。今、こころと体にやさしい食卓に何が必要なのか自らで見きわめて求めていく時ではないでしょうか。

夫婦と猫のイラスト
神秘のパワー発酵食品
発酵は微生物と時間の力

微生物とは、人間が肉眼で見ることができない生物のことで、あらゆる所に生息しています。発酵食品は、有用微生物の働きによって作り出され、昔から私たちの食生活と健康に大きく関わってきました。体にやさしく、偉大な自然の力による深いうま味を持つすぐれた食品です。

不思議なことに発酵醸造することによって元の素材に比べ飛躍的に栄養分が高まるのです。同時にうま味成分も引き出され、保存性も高まります。微生物が繁殖して一定以上になると他の菌が侵入、繁殖できないからです。

微生物やそれによって作り出された酵素は時間がたつほど増え、活発になります。速醸造のものは、その時間がたりないため保存料やアルコールを加え、うま味の不足分は化学調味料を加えたりしています。

発酵食品と聞いて何を思い出しますか?しょうゆ、酢、味噌、ぬか漬け等、今回の表紙にのっているもの以外にも、ヨーグルト、豆板醤しょっつる、テンぺ、発酵茶(三年番茶等)とたくさんあります。また、世界中から多様な発酵食品が健康への関心、グルメの観点から入ってきています。

【日本に麹あり】

麹は蒸した穀物に麹カビが繁殖して造られるもので、酒、みりん、味噌、しょうゆ、米酢、ぬか漬け、甘酒などに利用されています。日本の気候風土はカビの発生に最適で、各地方で実に多様な発酵食品が受け継がれてきました。

しかし今、伝統的な麹発酵食品が失われつつあります。みりんもその一つです。本来の伝統的なみりんは年数も手間もかかるため、すでに全国で数えるほどしかありません。

最近菌の様々な効用が明らかになって、蒸し米に麹菌が繁殖してくると米になかった、約400成分が蓄積されるといわれています。

麹は滋養の宝庫であり、非常に優れた消化酵素を生産し、老化を遅らせたり、結核菌やブドウ状球菌を抑える抗生物質まで作っていることもわかっています。大事に引き継いでいきたいものです。

発酵食品にも身土不二
【世界に誇るだしのうま味】

世界で認知されてきた基本味は「甘」「辛」「酸」「苦」でした。日本人はそれに加えて「うま味」が重要な味でした。

今「Umami」として世界で認知され、研究されるようになりました。カビを利用したかつを節はきわめて多くのうま味成分を含みます。

必須アミノ酸8種を含み、高タンパク、しかも脂肪の多いカツオが原料なのに、だしをとってみるとまったく脂が浮いてこないほど低脂肪。それは、カツオ節菌が発酵中に分解してしまうからなのです。干ししいたけ、昆布、そしてかつを節。これにより世界に類をみない上品なだしの文化ができたのです。化学調味料は舌をマヒさせ本来の味覚から遠ざけるだけでなく体にもいい影響を与えません。

酢も味噌もしょうゆも日本の風土と、その環境に生きている微生物が作り出すものですから、私たちの腸内環境に、より合っていると思います。

時間が育む微生物の恩恵による本物の発酵食品を味方に、腸内環境を整えましょう。

ここがスゴイ!毎日とりたい発酵食品

納豆、漬物、風呂吹き大根と味噌だれ
その1:かつお節
蒸したカツオにいくつもの手間をかけ、カビがつくのを待ち日干しとカビ付けを何回もくり返します。カビが生育するために水分を吸い取り、保存が可能になり、同時に脂肪を分解しタンパク質に変化させ、うま味もつくられます。
その2:しょうゆ
大豆、小麦を原料に麹かび・酵母・乳酸菌の絶妙な連係プレーで造られます。うま味が強いだけでなく、臭みを消したり、抗酸化作用、抗菌作用もあります。しょうゆに6時間つけておけば大腸菌も死滅します。醸造期間の長いものほど品質が良いものです。
その3:みそ
大豆、麦、米、雑穀を麹で発酵させて造ります。原料である大豆で食べるより、タンパク質の消化吸収が良くなります。味噌汁として食べることによって、だしや具を含め、日本人にとって重要なカルシウム源になっています。長く熟したものほど力があります。
その4:ぬか漬け
日本独自のもので、乳酸菌や、酵母が1グラムに約10億個生きています。植物繊維も凝縮した状態で便秘も解消。野菜の栄養は直接吸収でき、新たにつくられたビタミン類等も加わり栄養価は高いです。
その5:納豆
納豆菌の繁殖によって元の大豆に比べビタミンB2が10倍も増加。タンパク質も豊富。最近の研究で次々と重要な酵素が見つかり、医薬品にも利用されるようになりました。
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